Two People & I
僕を見上げる男がいる
膝まずく男がいる
孤独な男がいる
いつも唄っている男がいる
両手をつき、大地に頬擦りしてる
時折投げかける視線は知性を漲らせ僕を射る
彼と同じ月明かりを浴びている
彼と同じ身体を授かっている
彼の求めているものと
僕の求めているもの
彼が避けているものと
僕の避けているもの
きっと一日中見つめ続けている
平和な公園の緩やかな水の流れ
きっと一日中回想し続けている
たくさんの笑顔に囲まれていた日々
きっと一日中悔いている
きっと一日中迷っている



僕を見下げる男がいる
高笑いする男がいる
本当は孤独な男がいる
いつも辺りを窺っている
大股で歩き、時計を気にしてる
時折投げかける笑みは虚しさを助長する
彼と同じ太陽の恵みを得ている
彼と同じ素振りをしている
彼の求めているものと
僕の求めているもの
彼の避けなくてはいけないものと
僕の避けているもの
きっと一日中夢想している
背徳の夜の情景
きっと一日中欲している
忘れかけの真の喜び
きっと一日中悔いている
きっと一日中迷っている





*文芸誌「ぶんりき」1999年3月号掲載作品